L-M BRIC News No. 4 日本語版 2001-03-15 ゥ 改訂2003
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        ループ操作組紐研究情報センター
        創立者・編集者 木下雅子(Masako Kinoshita)
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        L-M BRIC NEWS
        注


        1)本号の主題である「レース(lace)」とは、装飾を主目的として「隙間のある(open work)」組織に組成された、文法的には集合名詞である繊維製品を意味する。日本語で普通に通用するレースである。英語ではlace はshoe lace(靴紐)などのように普通名詞の紐をも意味する。特に本号でしばしば参照される、トルマッシュ家の秘伝(Treatise of Making of Laces)は後者の意味に使われているので、混同しないよう注意を促しておく。

        2)'Catherine Wheel は Katheren Wheele, Kattern wheele, 或いはCattorn weleなどとも書かれている。

        3)数冊のほぼ同一の17世紀イギリスのパターンブックの復元技法については、以下の研究書がある。N. Speiser, CIETA Bulletin 50, 1979-II; 同著者, The Manual of Braiding, 私家版, 1983, 第2版 1986; 同著者, Old English Pattern Books for Loop Braiding, 私家版, 2000; A. Dyer, Purse Strings Unravelled, Craven Arms: Westhrope College, 1997.

        4)「紐の作り方=Treatise for Making of Laces 」はトルマッシュ夫人キャスリンの手によって非常に要領良くまとめられた「トルマッシュ家の秘伝」という15世紀イギリスのhousehold book 中の一節である。シュパイザーの新著Old English Pattern Books for Loop Braiding,(注3参照)は、17世紀イギリスの記録とこの秘伝「紐の作り方」の総合的研究書である。

        5)I. Estham & N. Speiser, 'A loop braided lace insertion on a late medieval sudary in Uppsala Cathedral,' CIETA Bulletin, 74, 1997, pp. 96-107.

        6)Milton Sondy, research fellow, Smithsonian Cooper Hewitt, NationalDesign Museum.

        7)Alarcao, T. & Seabra, J., Imagens em Paramentos bordados, seculos XIV a XVI (14−16世紀間のパラメント刺繍に見られる形象,リスボン: IPM, 1993.

        8)Marie-Louise Franzen; Speiser のウプサラのスダリー調査当時の寺院宝庫の学芸員助手。

        9)ウタ・バーグマン(Ute Bargmann)はマサチューセッツ州立大学アマスト校図書館司書。また古典組織模様織の復元などの手織熟練者でもあるが、l-m 技法については、この手稿を発見した当座はまだ1日講習を1回受けたのみの初心者だった。

        10)Haus zur Kunkel. L-M BRIC News 第1号、1998.

        11)「ループ操作技法」などとして現代用いている用語「ループ」はイギリスの古記録では一貫して「bowe」あるいは「bow」を用いている。

        12)Private stitch の謂れはわからないが、記録の全容からループの上糸と下糸が移動後に入れ替わる操作つまり「閉」操作を行うことであるとシュパイザーは結論を与えている。

        13)移動ループの取り方には、移動後にも上糸が上糸である「開」移動と、上糸が下糸になる「閉」移動があるが、「開」移動には(1)「上糸を下から掬いとる」又は(2)「下糸を上から引っかけて取る」の2通りの取り方があり、「閉」移動には(3)「上糸を上から引っかけて取る」、(4)「下糸を下から掬いとる」、の2通りの取り方がある。一般の傾向としては、「上糸のみを使う取り方」(1と3の組み合わせ)か「下から掬いとる」のみを使う取り方(1と4の組み合わせ)とが多い。これまで知られる限りではイギリスでは一貫して後者が使われている。

        14)シュパイザー、MB 第2版、78頁にループ交換操作のシュパイザー自身の解答が与えられている。これについてはシュパイザーの著書(注3)或は木下雅子,『日本組紐古技法の研究』,京都:京都書院,1994, 236-238 頁等を参照.